1期生 大西 アイ子さん

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 私が勤務している一般財団法人甲南会六甲アイランド甲南病院は、地域の2次救急を担う急性期一般病院です。私は看護師として病棟などで勤務した後、平成21年から医療安全対策室に配属され、専従の医療安全管理者となりました。医療安全対策室では報告システムの見直しなどを行い、インシデントレポートの提出数が増加するなど成果も少しずつ出るようになっていましたが、「エラーを見つけることができる人」「他人のエラーに気づける人」はなぜエラーに気づくことができるのか、と疑問を持っていました。


 そんな折に看護部長の紹介でこの大学院のことを知り、入学を決意しました。入学までの間には、学業と業務を両立させることができるよう周囲の環境整備を行いました。まずは院長や看護部長に大学院で学びたいという決意を示し、当直日程の調整、会議の実施日の変更、早出勤務などの了承を得ました。職場の皆様に理解していただいたことは今でも感謝しています。


 この大学院で学んだことは数多くありますが、その一つは医療現場の多職種の考え方や価値観を知り、話し合いによって相互理解をすることができたことです。また他の施設での取り組み事例を知ることもできましたし、何よりも多彩な分野の教員の先生方に指導していただき、視野が広がったと思います。


 大学院での研究では、まずその研究の目的や意図を明確にすることが重要です。先行研究を調べて研究をデザインしていくので、1年生の夏休みは文献検索や本を調べることに重点を置き、時間のかかる英文文献などにも挑戦しました。


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 学生時代の2年間は、目の前にあることを一つ一つクリアしていくのに精一杯の毎日でした。研究を進めていく中で自分の進むべき道を見失いそうになった時、私は「シカゴスタイル 研究論文執筆マニュアル」という本を何度も読み返しました。そうすると、研究を始めたころの思いがよみがえってくるような気がしました。この本は、私にとってとても大切な一冊となりました。


 大学院を修了した後、勤務先の病院では看護部の医療安全教育の担当となり、また兵庫県看護協会の研修で医療安全を担当したり、甲南女子大学看護リハビリテーション学部でゲストスピーカーとしてお話をさせていただいたりしています。修士論文で取り上げたテーマについては、平成25(2013)年度の医療の質・安全学会で発表を行いました。


 大学院での生活を通して、多くの仲間や指導していただける教員の先生方に巡り合うことができました。職場や大学院での仲間、先生方の支援があったからこそ、充実した2年間を送れたと思っています。


 私は今、ようやくスタート地点に立ったばかりです。いよいよこれから本格的に医療安全のことを研究していきたいと思っています。これからも、研究生として大学院の先生方のご指導のもと、医療現場に貢献できるよう努力していきたいと思います。