平成25年度 「滋慶医療科学大学院大学セミナー」のご案内

セミナーについて~医療マネージメントの薦め~【受講者募集】

 医療におけるマネージメントの重要性が高まって来ています。背景には高齢化社会の急速な進展に伴う医療費の増大に,国の健康保険制度または財政そのものが耐えられなくなってきていることがあります。医療費を抑えるための政策が次々と打ち出される一方で,医療機関そのものが経営難に陥ってしまっている例がかなり多く存在しています。しかし医療機関が医療を提供できないのでは,国民の健康を守るという医療機関に課せられた最大のミッションを遂行できないことになり,国民すべてに十分な医療を提供しようとする国民皆保険制度の趣旨からは本末転倒であるともいえます。そこで医療機関にはこれまでももちろんではありますが,よりいっそうの経営効率を図りながら,国民に十分な医療を提供するような運営が求められています。このような現状から,マネージメントに携わるもののスキルの重要性がこれまで以上に高度なものとなってきています。また,本学の設立の趣旨は,医療に携わるもののマネージメントの観点から,医療機関の経営や安全を担保していく人材を育てることですが,今まさにこのような経営層のスキルアップが急務だと言えます。
 そこで本学では経営管理セミナーを医療関連の経営陣に対するエグゼクティブセミナーに位置づけ,高度な医療関連の経営についてみなで考えていくことにしたいと思います。



セミナープログラム

※受付は開始30分前から

第1回

2013年9月22日(日)
10:30〜12:00
医療法人の財務マネージメントと税金①

滋慶医療科学大学院大学 准教授 田中 伸 氏

法人の経営者層にはさまざまなマネージメントのスキルが必要とされています。その中で最も基本となるのが,財務諸表を読み解く能力です。これはマネージメントの関連のすべての管理方法が会計数値を共通言語として成り立っていることに起因するのです。そこで,経営指標の基礎となる医療法人の財務の基本的読み方を学びます。ついで病院経営をマネージメントの視点から考えていくことにします。
第2回

2013年9月22日(日)
13:00〜14:30
医療法人の財務マネージメントと税金②

税理士 中井 康道 氏

わが国は世界の先進国でも類を見ないほど税金が高いことで知られています。医療法人の現状を見ると,保険点数の毎年の改正に伴う収益率の減少とともに,無造作な経営は機関が存続することで地域に十分な医療を提供し続けることが困難なケースが増えてきています。そこで,経営に対する税金の基礎的なお話と医療法人を存続させていくためにも必要となる経営承継に関する相続税を中心にした実務的な視点での講義を通じて税金もマネージしていくことが必要であるということを改めて考えていただく機会にしたいと思います。
第3回

2013年10月20日(日)
10:30〜12:00
治療と医療のはざまで起こっていること①

滋慶医療科学大学院大学 教授 米延 策雄 氏

国立病院が,独立行政法人化され病院一つ一つに経営がある程度ゆだねられるようになりました。ちょうど その最中に国立大阪南医療センターの院長に就任して管理者となり,医療の研究と治療を行う立場から,病院全体をマネージメントする立場へとかわりました。今回は管理者と現場,立場によってどのように見方が変わるのか,どのようなコンフリクトが起こるのか,さらには独立行政法人化以前と以後では何が同じで何が異なっているのかを実体験からお話しすることによって,改めて医療機関のマネージメントをケーススタディしていきたいと思います。 
第4回

2013年10月20日(日)
13:00〜14:30
治療と医療のはざまで起こっていること②

滋慶医療科学大学院大学 学長 武田 裕 氏

日本の医療の最先端を担う大学病院において,管理者としての立場と,医療情報管理を専門に研究していた立場から,病院における情報の読み取りと,マネージメントへの活用のポイントについてお話しします。医療の現場では,電子カルテやDPC等を含めたレセプト情報など,膨大な量の情報が日々作成されています。しかしながら,それら貴重な医療情報が診療や管理に十分生かされているのかといえば,必ずしもそうではないのが現状ではないでしょうか。そこで今回は大学病院等の医療の現場で起こっている情報の無駄遣いについて,具体的な例を紹介すると共に,それらをどのように改善していくとよいのか,合わせてお話ししたいと思います。
第5回

2013年11月10日(日)
10:30〜12:00
医療安全と交渉学①

米国法律事務所パートナー弁護士
立命館大学大学院 経営管理研究科 教授
秋沢 伸哉 氏


医療の現場で必要とされながら満たされてこなかったスキルに交渉能力があります。例えば,医療事故が有ったり,もしくは事故ではないが患者様の満足いく医療を提供できなかった際におこる医療の訴訟がいつ自らの医療機関に降りかかってもおかしくないのが現状です。しかし,これまで現場の声にもかかわらず対策が十分に行われてきたとは言えません。またこれらのことがマスコミに書かれたり,訴訟に持ち込まれますとそれだけで医療機関の経営にもかかわる可能性のある重要な問題です。ここでは,医療現場における患者様と医療者の間にある問題を解決に向けるための交渉力の基礎を身につけていくことを目的とします。
第6回

2013年11月10日(日)
13:00〜14:30
医療安全と交渉学②

米国法律事務所パートナー弁護士
立命館大学大学院 経営管理研究科 教授
秋沢 伸哉 氏


グローバルな交渉ではロジカル・シンキングが万能のように言われますが,ロジカルな交渉をすれば常に交渉が成功裏にことを運べるわけではありません。特に患者様と医療者の間のような双方に考えている内容が非常に異なっていたり,双方に立場があまりにも異なる場合には顕著です。最近では多様な交渉アプローチが知られています。事例を通じて交渉学の楽しさ,奥深さを感じながら仕事に生かせる実践的な交渉戦略を体得してください。
第7回

2014年3月8日(土)
13:30~15:00
『電気メスの研究をしませんか』

滋慶医療科学大学院大学 教授
小野 哲章 氏


電気メスは発明以来すでに約1世紀を経過した現在、現代外科手術に不可欠なME手術機器になっているので、研究はすべて尽されていると考えておられるかもしれませんが、実は、まだまだ「未解決な問題点」が多数あります。
 雑誌Clinical Engineering(秀潤社)の2014年1月号に、小生の編集責任で「電気メスのすべて-事故を防ぐために手術室スタッフが知っておくべき知識-」と題した特集を組んでいますが、この中に現在どこまで解決できていて、どこから未解決なのかが詳細に述べられています。
 そこで、小生の電気メスの40年に及ぶ研究の中から未解決な問題を1つ1つ提示して、現場の臨床工学技士の皆さんとともに研究できるテーマを一緒に考えたいと思います。
 手術室に関係する臨床工学技士の方々、電気メスに興味のある臨床工学技士の方々の参加をお待ちしています。
(できれば「Clinical Engineeringの2014年1月号」をご持参ください。)

≪ 概 要 ≫
1.電気メスはなぜ切れるか
2.熱傷はどのくらいの面積で起きるか
3.ストレーバーン(内視鏡的熱傷)とはなにか
4.RFAは対極板熱傷に要注意とは
5.メス先整流作用による感電事故とはなにか
6.電気メス雑音障害はどのようにして起こるか
7.何が未解決なのか
8.大学院で研究するということ

主催

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