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院生が大阪腎臓バンクから研究助成を受けることになりました ―透析患者の筋肉量や透析関連低血圧が、転倒やADLに及ぼす影響―

桐本隆弘滋慶医療科学大学院大学の院生・桐本隆弘さんを中心とする研究チームは、公益財団法人大阪腎臓バンクから平成28年度腎疾患研究助成を受けることになりました。研究テーマは「透析患者の筋肉量や透析後の立位時低血圧が、転倒・骨折や非透析日のADLに及ぼす影響の検討:クレアチニン産生量や血圧低下などの指標の設定」であり、同大学の椿原美治教授、河口豊特任教授、飛田伊都子准教授との共同研究によるものです。

 

透析患者のサルコペニア・フレイルに着目した研究

透析患者の転倒・骨折、ADLの低下は、死亡のリスクにも繋がります。筋肉量の減少を主徴としたサルコペニアが透析患者においても多い事が報告されており、筋力や活動量の低下を意味するフレイルへの進展が危惧されています。透析患者の筋肉量の推定には%クレアチニン産生速度(%CGR)が有用な指標であり、値が低いほど生命予後が不良であることが報告されています。また、血液透析後の起立性低血圧は、生命予後の独立した危険因子であることがすでに報告されています。しかし、%CGRや低血圧の程度と、転倒・骨折、ADL低下などとの関連は明らかにされていません。

今回の研究では、慢性血液透析患者約300名を対象に転倒・骨折、ADL低下に及ぼす%CGRや透析後血圧低下の程度を検討するために前向き研究(prospective study)を実施し、治療介入レベルの設定を検討します。助成額は50万円、調査・研究期間は1年間で、大阪府下4施設で調査を実施します。

 

嬉しい反面責任を感じている

桐本さんは「正直に言うと、単純に嬉しいというよりも重責を感じています。しかし、このような機会を与えて頂いたことはチャンスを頂いたと思っています。少し格好つけた言い方かもしれませんが、研究成果を出して透析医療の現場への希望に変えたいと思っていて、透析患者さんの転倒・骨折、ADL低下予防に繋がる結果を報告できるように頑張りたいと思います。この研究は私自身の修士論文として始めた研究ですが、指導教員や調査に協力して下さっている研究実施施設からのご支援を無駄にしないように頑張っていきたい。」と研究活動に邁進する決意を述べています。

 

透析患者に大きな福音となり得る研究

主指導教員の椿原教授は「公益財団法人から研究助成を頂けることは誠にありがたいことであり、院生自身が筆頭になることに大きな意味があります。桐本君が2年間の修士課程で論文化する必要から、研究期間を1年と設定していますが、研究協力施設には以降も継続して頂く了解を得ています。桐本君には研究生として研究を継続し、後進の学生指導にも繋げて欲しいと思っています。さらには本研究の結果を用いた介入研究を行い、今後の透析医療の大きな福音としたい。」としています。

 

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