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No.28 理想の看護師像―看護教員の調査から

教員による医療安全の提言シリーズ 28

理想の看護師像―看護教員の調査から


 医療の質的向上・安全確保の視点から「理想の看護師像」とは―。滋慶医療科学大学院大学を運営する大阪滋慶学園のグループ校の大阪保健福祉専門学校の豊田百合子副学校長(前大阪府看護協会会長)が看護教員にアンケート調査を実施しました。今回はその分析結果をレポートします。


 ―健康で優しく、知識・技術を持って、コミュニケーション―

「看護師として必要な条件を優先順に3項目」を挙げてもらいました。18人の教員から回答を得て、優先順に1位を3ポイント、2位は2ポイント、3位は1ポイントとして集計しました。調査結果を集約しますと「まずは健康で、相手を思いやる優しさがあって、専門技術・知識を有し、コミュニケーション力のある人」というのが、看護師のあるべき姿として浮かび上がりました。



 ―健康だから正しく判断して、行動できる―

 7人の教員がまずは「健康」(15ポイント)を挙げました。その理由は、「心身ともに健康でないと、正しくものを見て、判断して、行動できない」「自分の健康を確保してこそ、様々な面での援助ができる」「精神的にも肉体的にもきつい仕事なので、健康が第一に優先される」としています。


 ―患者さんの安全には、知識と技術―

 「患者さんの安全を守る」という視点から「知識」や「専門的技術」と答えた人が6人で、15ポイントと「健康」と同様に大事な要件となっています。その理由は「正しい知識がなければ、適切な援助ができない」「看護の対象は人間であり、対症に応じた看護をするためには、専門的技術とともに一般教養も必要」だという。極論すれば「いくら優しさがあっても、医療の現場では安全(知識と技術)なくしては患者さんも安心して過ごせない」という。そのために「確実な知識、技術を持って、患者さんの安全を守る」のが看護師の優先的使命とも言えます。


 ―優しくないと、人を癒せない―

 同様に大事な要素が「優しさ」「慈愛の精神」で、5人が2位(10ポイント)に挙げました。「優しくない人は、人を癒すことはできない」「人間的な温かさに触れると、自然治癒力が高まるのでは」「安楽な看護を提供するため」など。


 ―人間性があってこそ、気配り、思いやり―

 「優しさ」とは表現が異なりますが、「相手を思いやる」「相手に対する関心」「気遣い」「気配り」「サービス精神」との答えもあり、合計すると12ポイントとなります。また、「人間性」や「人間味」あるいは「チャーミング(魅力的)」をそれぞれ1位に挙げた人がいます。「人が人をケアする。人の心の苦しみ、辛さ、悲しみを理解した上でなければ、本当に対象(患者さん)に合ったケアにならない」というわけで、人間性が表れます。


 ―コミュニケーションによる信頼が大事―

 一方、5人が「コミュニケーション力」が大事だとしています。「治癒の基本となる信頼関係を築きあげるためにも必要」「まずは聴くことから始まり、伝わったかどうか。聴く力、観る力、伝える力」だという。「多職種間のコーディネーターとして協調性を持ち、看護師の専門性をアピールする能力も大切」で、これは「チームで働く力」や「協働」と答えたチーム医療とも関連します。


 ―倫理、判断力、責任感も必要―

 このほかでは「倫理意識」「あらゆるいのちへの深い畏敬の念」(生命の始まりが看護の始まりであり、看護の終焉は生命の終焉)、そして「判断力」「責任感」「忍耐力」「自律性」「前に踏み出す力」「主体的に行動する」「考え抜く力」「探求心」「自他共に誠実」「自己管理能力」などの答えがありました。また、「チャーミング(愛し愛される人)、チャレンジ(逃げずに、新しいことに耳目を向けて挑戦、一生学び続ける)、チャンス(優先順をつけて、機転とともに、タイミングを逃さない)と、“3C”でまとめた人もいます。



(調査 大阪保健福祉専門学校副学校長・豊田百合子)
(文責 大阪滋慶学園顧問・越智道雄)



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