トップ > ニュース > 武田研究科長が「医療の質と安全確保」をテーマに講演

武田研究科長が「医療の質と安全確保」をテーマに講演

システム作りと人材育成が重要

―医療の質と安全確保~武田研究科長が講演―

 「病院の質と安全を確保するシステムと人材」をテーマに、大阪滋慶学園・滋慶医療経営管理研究センター主催による特別講演会が5月21日に開かれました。滋慶医療科学大学院大学の武田裕医療管理学研究科長(講師)は、受講者の病院関係者を前に「米国の動向を注視、患者中心の医療を志向、労働集約と技術(IT)集約、医療プロセスの標準化と効率化」との課題を挙げて、病院がいま成すべき事として、システム作りと人材育成の重要性を訴えました。



―品質管理の視点、PDCAサイクル―

 武田講師は、患者さんの安全を守るという視点から「これまでは過去の失敗に学んで事故予防に取り組んできましたが、地震など予測不能なことにも対応するセーフティーマネジメントが必要になってきています」と、考え方の変化を指摘しました。また、「医療行為は様々なケースの中で、どうしても“バラツキ”が生じてしまいます」として、『スイスチーズモデル』を例に出して「医療事故を予防するには、品質管理の視点、PDCAサイクルが必要です」と説きました。



―米国の動向を注視―

 米国の動向について、「医療機関の資格審査が厳しく行われています。認定を得ないと、健康保険が適用されません」。それに、『公的医療保険による報酬請求インセンティブ、いわゆるペイ・フォア・パフォーマンス(P4P)』が導入されて、電子媒体による還付請求、診療機能向上に対する成果報酬など、「保険制度による動機付け」がなされて、効果を発揮していることを紹介しました。過去の例を見ても「何年か遅れて日本に導入されています」として、「すでに“黒船”がすぐそこまで来ています」と注意を喚起しています。


―企画・実践・評価・広報の4システム―

 「病院は崇高な目的を持ったサービス業」と位置づけて、「顧客(患者さん)中心の自覚を持つべき」との心構えを説いて、患者さんを中心とした最適制御プロセスを提案しました。病院に求められるシステムとして、企画(戦略・アクションプラン)、実践(縦構造とチーム医療、患者安全部門)、評価(病院全体、部門・個人など)、広報(情報発信)の4つのサブシステム作りを提示しました。


―チーム内での評価の確立―

 実践サブシステムの一例として、チーム医療を推進するに当たっては「チームとして働くことの評価を確立する必要があります」。患者ケアチームには、①リーダーシップ②状況モニター③相互支援④コミュニケーション―の4つのコアがあり、これを念頭に日頃からの訓練の重要性を説きました。


―データベースの活用が重要―

 また、病院内の情報システムに関して、「ニーズ分析をした上で情報管理はITを活用した流れにすること。そして、電子化されているデータベースをどのように活用するか。DPC分析においてもクリニカルパスによる標準化推進に当たっても、データ分析と情報活用ができるIT人材の養成が課題となっています」。医療の質を高め、患者さんの安全を確保していくには、診療の標準化・効率化に向けた「情報システムの構築と情報を活用できる人材育成が急務です」と、提起しました。




ニュース