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本学1期生(高松さん)の論文が学会誌に掲載

 滋慶医療科学大学院大学1期生、高松いずみさん(著者)と折田義正(本学指導教員)、山下哲平、笠原聡子、武田裕(本学教員)、他2名(他大学教員)による「臨床検査のための静脈採血に関する質問紙法による調査研究」が「医療の質・安全学会誌」2013・8巻2号(P93-P104)に原著の形で掲載されました。
 
 この調査研究は、2012年11月に行われた医療の質・安全学会の学術集会で発表され、本学の修士論文として審査され、高松さんには2013年3月に修士(医療安全管理)が授与されました。本論文はこの修士論文を骨子としたもので、学会誌の2名の査読を経て、公表されました。

 臨床検査のための「採血」は、主に臨床検査技師が行っていますが、これに関しての調査研究・事例が少ないのに着目しました。特定の1病院での調査はありますが、今回は(社)大阪府臨床検査技士会の協力を得て、大阪府内12病院の臨床検査部責任者と採血業務者(以下採血者)に、質問紙調査(無記名)を行いました。こうした複数病院による「採血に関する調査」は、わが国では初めてのことです。以下に要約を記します。



医療の質・安全学会で
発表する高松さん

 調査に協力して頂いた12病院で395名に調査紙が配布され、273名(69,1%)から回答を得ました。採血による合併症については、外来患者5693名に1件が発生(0、018%)、針刺し事故については51867名に1件が発生(0,002%)していると、推定されます。

 調査研究では、採血者の「卒前教育、卒後研修」や「採血業務マネージャーの配置と役割」など人材育成の問題も提起しています。臨床検査技師の卒後(入職時)の採血研修では、研修時間を増やし、各種生体模型などによる困難例の取り組み、上腕の局所解剖、患者の接遇などの研修が必要、としています。

 また、解剖学的に見ても、採血の合併症、事故は現実として避けられず、日本臨床衛生検査技師会の賠償責任保険への加入促進が望まれます。合併症、針刺し事故の報告率は70%以下で、医療安全管理の観点から、「報告率の向上」が望まれます。採血業務マネージャーには、現場の問題の処理能力、リスクマネジメント能力、現場の状況を深く分析、考察、将来に役立つ思考と実行力が期待されています。 

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