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第1回の公開授業を開講しました。

 滋慶医療科学大学院大学は、7月14日(日)に今年度、第1回のオープンキャンパス「公開授業」を行いました。

 まず、武田裕・医療管理学研究科長(医学博士)は「大学院で何ができるのか。受験に当たって」と題して、ガイダンス。大学院の概要とともに、医療安全のプロセスをわかりやすく解説しました。

 1999年に、ある病院で2人の手術が同時に間違って行われたのを契機に「医療安全元年」とされ、「専任のリスクマネージャーを配置する」など厚生労働省の指導・管理が厳しくなってきたプロセスを説明。その後、一定の成果はあがっていますが、現実には医療事故、エラーは起きています。
 そこで、本学の運営母体・大阪滋慶学園は、新たな実践的学問として、医療安全を体系的に学ぶため「医療安全管理学の必要性」を訴えて、2011年4月に本学が創設されました。

―品質管理が医療安全の基本―
武田研究科長 武田研究科長は「医療の質にはバラツキがあります。このバラツキを小さくするには、PDCAによる“品質管理”をベースに、エビデンスに基づく“標準化”が必要です。品質管理が医療安全の基本となります」と、持論を披露しました。
 また、医療安全を実践していくには「医学、看護学、薬学などタテ型の知識に加えて、これらを統合しての職種横断・学際的なヨコ型の連携が不可欠」として、幅広い知識の必要性を説きました。
 (詳しくは、ホームページの武田学長のインタビューをご覧ください)

―全員の意識を同じ方向に―
田村由美教授 田村由美教授(博士・人間科学)は、必修科目となっている「専門職連携実践(IPW)論」について、「チーム医療が強調されていますが、機能していない一面もあります」という。それは「専門職間の連携不足。つまりはコミュニケーション、チームワークの不足に起因しています」として、「患者安全の視点に立って、チームで取り組む医療安全に関する教育(IPE)、トレーニングの必要性」を説きました。
 田村教授の授業は、いろんな職種の院生が集まっての「ワークショップ型の実践的トレーニング」が特徴。臨床工学技士を含む院生グループが“レイノルズ数”を用いて、「各自の意識を層流(流速の方向が揃っての規則的な流れ)に沿って、医療安全の意識を全員が同じ方向に向けることによって、患者さんに安心感を与える」という成果発表を例に挙げて、院生が経験から学び、実践知を創造する授業を紹介しました。
(詳しくは、HPの「安全な医療」のNo733をご覧ください)

―正体・操作・異常を知るのが鉄則―
小野哲章教授 小野哲章教授(工学博士)は、「医療機器安全管理学」について、「医療機器の安全には、使用担当者と管理担当者との協力と役割分担が不可欠」だというのが、基本となります。そして第一に「その医療機器が何をするものか。“正体を知る”」、第二に「機器は理解して使う。“操作の意味を知る”」、第三に「いつもと違うことに気付く。“異常を知る”」こと。この3つが鉄則だと、説いています。
 また、臨床工学技士など機器管理担当者は「医療機器の点検と調整が仕事ですが、たいていの機器は壊れないので無駄とも思えます。99の無駄を覚悟で、1の異常発見に努めるのが保守管理の行動原則」だという。いずれも「基本、鉄則を守る」ことが医療安全、患者さんの安心につながります。
(詳しくは、HPの「安全な医療」のNo124をご覧ください)

―マネジメント(管理)発想が大事―
田中伸准教授 田中伸准教授(博士・経済学)は、「医療経営管理の薦め」をテーマに、複雑化する病院組織の問題と病院の経営管理の課題について、マネジメントの観点から解説しました。
「病院をいかに管理していくのかは、ますます厳しくなる病院経営に対しての影響が大きい。客観的、科学的な管理を目指すには“数字”を入れる必要があります」として、医療に企業経営の数字管理が導入されていることを紹介。
 一例として、大手企業の京セラのアメーバ経営(細分化された組織を横断的に統括管理する手法)は病院経営の参考となることを示唆しています。「病院の組織的な分化が多くなるにつれ、職種間の連携の必要性が高まる」というわけで、マネジメント(管理)発想が大事になります。
(詳しくはHPの「安全な医療」のNo1238をご覧ください)


 次回のオープンキャンパス「公開授業」は、8月4日(日)午後1時から3時ごろまでの予定です。武田裕研究科長のガイダンスと「多職種連携から考える医療安全のマネジメント」と題しての公開授業を行います。
 江原一雅教授、石松一真准教授、笠原聡子専任講師がそれぞれ20分程度の授業を行います。ご参加をお待ちしております。

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