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第3回の公開授業を開講しました。

 滋慶医療科学大学院大学は、オープンキャンパスの「第3回公開授業」を9月8日(日)に実施しました。以下に要約を記します。

 ―医療安全管理学の必要性―
武田裕学長 武田裕学長(教授)は、「患者さんのための医療安全を学問にして、実践のための科学体系をつくりあげる」という本学の設立趣旨を述べて、「受験に当たって」と題して、大学院の概要について説明しました。
 このあと、医療安全管理学について、「医療安全は事故による傷害のない状況をつくり上げる」、「持続的な医療安全文化の醸成と安全行動には、テクニカルスキルとノンテクニカルスキルを備えた中核人材の養成が課題」、「技能・知識を継承、発展させるには、医療安全に係わる学問を体系化する」などの必要性を説きました。
 また、「学際的アプローチによる実践教育・研究によって、多職種の幅広い知識とスキルを身に付ける必要があります。医療安全には横の連携が重要で、縦型教育とも言える既存の大学などでは構築できません」―など、医学や看護学だけでなく、心理学、人間工学、経営学など多職種の教員、院生が集まっている本学の特徴を強調しました。
(詳しくはホームページの武田学長のメッセージインタビューをご覧ください)

―良い仕事は自らの大切な価値、課題を知ることから―
池西悦子教授 池西悦子教授(看護キャリアマネジメント特論)のテーマは「キャリアマネジメント」と「サービスの質」。まず「あなたは仕事を通して何を実現したいですか」と問いかけました。私の場合は「看護をしたい、他の人とのつながりを大切にしたい、社会に貢献したい」との思いで看護師の道に進んだあと、「体験から得たこと、自らの研究の成果を伝えたい」ことから、現在の教育者に転じた、自らのキャリアを紹介しました。
 そして、キャリアマネジメントとしては「リフレクション(振り返りの思考)を通して、自らの大切にしている価値や課題を明確にし、組織や社会の動向の中で実現できる自らのキャリア目標を持つこと、それに向かって日々の実践を振り返り、方向性の舵をとる」ことが大事だという。
 また、「サービスの質・向上には人材育成が重要」としたうえで、「安全で質の高い(看護の)サービスを実現するには、個人のキャリアマネジメントとワークライフバランスを確保することが必要」との考えを示しました。
(詳しくは「安全な医療」のNo35をご覧ください)

―行為の背景のメカニズムを知る―
岡耕平専任講師 岡耕平専任講師(人間工学特論)は、人間工学(エルゴノミックス)とは「人間が環境や課題に合わせるのではなく、人間に合わせて課題と環境を変える」ことによって、エラーや傷害を少なくする、という基本を説きました。一例として、標準的な規格に基づく椅子と人間工学に基づいて製作した椅子とを比較して、「座り心地の良さ、楽さ」をわかりやすく表現しました。オープンキャンパスの参加者も納得の様子。
 また、認知心理学の観点から、エラーに関して「行為の背景のメカニズムを知ることが大事」と説いています。誰がどんなことをしたか、何を言ったか―など、現場では行為そのものが注目されます。それよりも、人は何故そのようにするのか、言うのか、聞こえるのか―など、「行為の背景に問題があります」という。
 そうしたことから、「健康で、安全に、そして“人間らしく”働くとは、どのようなことか」を考えていきたい、という。
(詳しくは「安全な医療」のNo6をご覧ください)

―社会が求める医療と病院建築―
河口豊教授 河口豊教授(医療福祉施設安全管理学特論)は、「明日の病院建築に向けて」と題して、数々の病院建築を指導してきた経験から、患者の療養環境と病院建築のあり方を説きました。
 病院建築と設備の関係について「病院という場(器)をつくるには、空間と設備がバランスよく共存する必要があります。例えば、行為の変化(新しい医療器械の導入など)に対応して、器としての建築も変わっていく」という。
 また、病院建築に当たっては「患者の療養環境、職員の作業環境、経営の収支環境、この3つの環境をバランスよく整えるのが大事」だという。今後に向けては「社会が求める医療と病院建築」が課題だとして、住民福祉の向上、医療空間のグローバル化、病院建築の質、地域医療計画―などに沿って、「良質の建築を長く使っていくことが大事」と説いています。
(詳しくは「安全な医療」のNo1936をご覧ください)

―多分野の学びと人脈が財産―
吉野眞美さん また、特別参加した吉野眞美さん(1期生)は「家庭と仕事(看護教員)を持ちながらの大学院での学びは大変でした。ですが、医師、臨床工学技士ほか違う職種の院生と年齢を超えての友人(人脈)となり、心理学、経営学、法学など多分野のことを学べたのは大きな財産です」と修了後の感想を語っています。

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