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医療マネージメントセミナー

セミナー様子  滋慶医療科学大学院大学は、「治療と医療のはざまで起こっていること」をテーマに、医療マネージメントセミナーを10月20日(日)に開催しました。
 米延策雄教授は「病院経営の一経験から」と題して、国立病院機構大阪南医療センター院長(2009年―2013年)を努めた自らの経験談を交えて、「病院経営のあり方」や「医療を取り巻く環境変化」について講演を行いました。


『専門家集団を組織化~機能の発揮が鍵』



―病院経営をどう考えるか―
 厚生労働省の「病院経営管理指標」を例に出して、病院経営は収益性、安全性、機能性の3つの視点から、それぞれの項目に基づいて数値化されていることを紹介。
 そして、米延教授は経験談として、大阪南医療センター院長に就任と同時に、経営が数値化される指標で評価されることを意識しながら、行うべきは「地域が必要とする医療サービスの提供」であり、「病院のブランド化、職員の自信、地域からの信頼性、診療機能の明示と維持」を目指して、改革に取り組んだという。

 そのひとつは、多数に細分化された診療科目の再編成。整形外科とリハビリテーション科、リウマチ科とアレルギー科など“機能”が類似している科目を統合してセンター化を実現しました。その意図するところは、診療機能の向上、医師・職員の勤務体制の充実を考慮してのこと。この他の改革も含めて、2011年の収益は10年前と比べて50%も増えたそうです。「病院の機能を変えると、収益率は向上する」ことを実証しました。


―明確なミッション~ベクトルを合わせる―
 そこで、学んだことは「専門家集団どのように組織化して、いかに機能を発揮するか」「病院の特性を捉えて、理念や明確なミッションのもと、多種多様なスタッフを同じ目的に向ける(ベクトル合わせる)」「プロとしての自覚と自律」「リーダーシップと共にフォロファーシップ」「データに基づく議論と計画立案、合理的運営」が大事だという。
 また「病院とは専門職(プロフェッショナル)が構成する組織」「マネージメントは自律で自立が適切」「部分最適と全体最適の認識が必要」「顧客(患者さん)の利益を最大限に考える」「医療制度は社会制度である」「職種、職域を越えた医療人の育成が必要」「医療職の多くは技術独占(真似ができない知識体系と技術)」―などを「まとめ」として挙げました。


―医療の環境変化に対応した経営―
 一方、米延教授は、16世紀ごろから現代までの病院の変遷を述べた後、「高齢化社会となった現代において、医療のパラダイムシフトが起き、キュアの医療からキュア・ケアミックスの医療となってきています。これにどう対応していくかが課題」と問題提起しました。

 平均寿命と健康寿命との期間差を例に出して、健康寿命のあと男性は9,2年、女性は12,8年もあります。この期間が何らかの形で介護を要するわけで、これをいかにして短くするか。「キュア(治癒)とケア(介護)を複合させる医療の時代になってきます」と指摘しています。

 こうした医療を取り巻く環境変化に伴って「医療は大きく変わらざるを得ない時代を迎えています。パラダイムを理解しないと、経営、つまり社会に貢献し、社会から認知される病院にはできません」と結びました。

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