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医療マネージメントセミナー

 滋慶医療科学大学院大学は、「治療と医療のはざまで起こっていること」をテーマに、医療マネジメントセミナーを10月20日(日)に開催しました。
 武田裕学長は、「医療マネジメントにおける課題」を具体的に挙げて、「効率的な病院運営」と「良質な医療サービス提供」の両立を目指す方向性について示唆しました。

『良質な医療と病院経営のバランス』


 まず、武田学長は「病院を取り巻く環境は激変しています」として、医療の高度化、新しい検査方法、高齢化、国民皆保険の維持、医療の質・安全と経営のバランス、職員の満足度の向上―などに、どう対応するか。問題点を指摘しました。


病院マネジメントにおける課題として

  • 【戦略】病院のミッション、戦略の明確化、患者や職員に対する価値の提供
  • 【組織】チーム医療導入などの部門横断型に対応、職員のモチベーション
  • 【業務】電子カルテ導入による業務プロセス、業務改善
  • 【情報】管理情報、診療情報の収集・集計・更新システム
 これらの課題を整備して、「四位一体で取り組む」必要があります。


 また、「戦略的経営」による「患者本位」の医療を実現するには、「効率的な病院運営」と「良質な医療サービスの提供」を両立させる必要があります。

【良質な医療サービス】 【効率的な病院運営】
バラツキのない高度な医療サービス 医療の標準化
適正かつ必要な診察料 コスト管理・原価計算
快適かつ高品質な医療サービス 医療設備・機器への投資
医療品質に対する信頼感 高度医療への対応
知りたい情報の取得 積極的な情報開示

 それぞれ、相反する一面もありますが、「患者が望む病院像」と「病院としてのあるべき姿」として、目指す方向は同じという。


こうした課題を受けて、「何をなすべきか?」として、以下の4点を挙げました。

  1. 米国の動向の注視
  2. 患者中心の医療へのシステムつくり
  3. 労働集約と技術(IT)集約
  4. マネジメントの実践


4点について、特徴的なことを挙げますと

  1. 米国では、医療評価機関から認定を受けないと、公的健康保険が利用できない。Pay for Performance(P4P)が一部導入され、質の良い医療には加算されるが、合併症などには減算される、など信賞必罰のシステム。
  2. 顧客中心のサービス産業としての自覚を持って、組織のあり方を見直し、患者視点による医療サービスを提供。患者のためのシステムになっていますか。
  3. 病院に求められるシステムとして、企画(戦略、アクションプラン)、実践(縦構造とチーム医療、患者安全部門)、評価(主要業績指標)、広報―のサブシステムの構築。
  4. DPCに合わせて、クリニカルパスをつくる。クリニカルパスはマネジメントの重要なツール。


 以上を踏まえて、武田学長は、「財務と安全のバランスがとれた計画を策定して、常日頃から評価を注視することが大事です。そのためにはデータ(患者データ、経営管理データ)の整備が必要で、これに基づくガバナンスが重要です」と結びました。

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