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江原研究科長が医療の質・安全学会で講演

右側が江原教授 医療の質・安全学会の第8回学術集会が「チームで良くする医療の質、質を支える安全学」をテーマに、11月23日-24日に、東京・ビッグサイトで開かれました。この中で、滋慶医療科学大学院大学の江原一雅研究科長は「看護基礎教育において医療安全をどのように教えるか」をテーマにしたワークショップで、『医学教育における医療安全教育の実際と課題―WHO患者安全カリキュラムガイドラインをふまえて』と題して講演しました。


―医療安全の基本概念は共有化―

 医師及び看護の基礎教育において、近年は医療安全に積極的に取り組んでいます。従来、職種別、階層別に行われてきましたが、「医療安全の基本概念は共有する必要があります」。神戸大学医学部で医学教育に携わった経験をもとに、教育の実際と課題を紹介します。


 教育目標には、一般目標と個別(到達)目標があります。到達目標には知識獲得と行動獲得があり、知識を教えるだけでなく、症例から問題解決できる能力の養成も目標としています。
 WHOと文部科学省のカリキュラムを比較しますと、共通するのは「効果的なコミュニケーション」「有害事象、ニアミスの特定、防止」「安全に働く(ヒューマンファクター、チーム医療)」など。ただ、「有害事象が生じたときの患者とのコミュニケーション、情報開示、苦情の対応」については、WHOにはあるが、日本では不足しています。


―問題解決能力を付ける工夫を―

 教育方法は様々な方法の中で、大学での講義は100%行われていますが、グループワークは40%程度しか行われていません。一部では、ロールプレー、課題発表、シミュレーション、実地見学などがありますが、「問題解決能力を獲得する工夫が必要」です。
 神戸大学医学部の主なカリキュラムを紹介します。1年次に医学科と保健学科(神戸薬大)との合同授業として医学概論のほか、職種間連携実習でグループワーク、チーム医療を学びます。そして4年次になって、医療安全教育を集中的に行います。その内容は


【総合的医療安全教育】

 医療安全、医療倫理、インフォームドコンセント、心肺蘇生の基本、医療面接、診療録の記載、接遇とチーム医療、感染制御

【チュートリアル(PBL)教育】

 医療安全のグループワーク(エラー分析)、倫理:ロールプレー、がんの告知


 問題解決型グループ学習(PBL)では、6-8名のグループ(教員1名)で、症例を2-3回に分けて提示し、診断、病態、治療に関する学習課題を抽出して、各自でレポートを発表します。また、がんの末期の症例を提示して、模擬患者に医師として治療方針を説明します。


電子カルテの日米比較~武田学長

―エラーから学ぶことが大切―

 こうした、『問題解決が出来る能力を身に付ける実践的な教育が必要』です。『医療安全ではエラーから学ぶグループワークが重要』なことを強調されました。そして、教育内容として「医療安全教育の基本概念の共通化を図る必要があります」。そのためには「WHOのガイドラインに各カリキュラムが準拠する必要があります」と結ばれました。

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